バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

Category [サンスクリット語 ] 記事一覧

伊藤武ちょこっとサンスクリット 【パトラカ patraka पत्रक】

前回は、書物や図書館の話をしました。今回は、文字をしるす媒体について——といえば、「紙」ですが、インドで紙が大衆レベルにまで浸透するのは、ついつい最近の20世紀になってからのこと。なにせ、トイレットペーパーも、洟(はな)をかむティッシュも無用のお国柄。ご存知のとおり、トイレは全手動式ウォシュレット、洟は手鼻でチン。いやいや、これは冗談ですが、わたしの知っている1980年代でも、小中学校の学童たちは紙のノ...

伊藤武ちょこっとサンスクリット【プスタカーラヤ pustakālaya पुस्तकालय】

伊藤武ちょこっとサンスクリット【プスタカーラヤ pustakālaya पुस्तकालय】わたしの住んでいる町では、書店も古本屋も文房具店も絶滅してしまいました。イラスト用のケント紙やペン先も、電車に乗って遠くまで買いに行かねばなりません。時代の趨勢(すうせい)なのでしょうが、もの書きとしては寂しいかぎり……。しかし、幸いなことに図書館は充実しています。紙の書物がぎっしり詰まった背の高い棚のあいだを歩くときは、いつもワ...

伊藤武ちょこっとサンスクリット【マディヤ madya मद्य】

今日とは異なり、古代のインドはお酒に寛大だったようです。アーユルヴェーダのチャラカ先生も、「酒は、理にかなった飲み方をすれぱ、甘露のごとく有益になろう」と酒好きには嬉しいことをおっしゃい(理にかなった飲み方——というのが難関)、当時つくられていた84種類の酒とその効用を説かれておられる。そこで、今回はサンスクリットの酒のあれこれ。古代文献にはいろいろな酒が出てきますが、訳書では全部「アルコールの一種」...

伊藤武ちょこっとサンスクリット【ダーラ dāla दाल】

ダーラとは、インド料理でおなじみのダールのこと。今回は、ダールとその周辺のマメの調理法についてのお話を——初めてインドを旅する人のなかには、ダールが苦手、という者も多い。たしかに、安めし屋で食べるダールスープは、ぼそぼそしていてエグクて味気ない。でも、その素っ気なさに潜むしみじみとした旨味に目覚めるころは、もう立派なインド通。もちろん、ダールは高級レストランでいただくグルメ料理にも化ける。ダールは、...

伊藤武ちょこっとサンスクリット【ダーニヤー dhānyā धान्या】

ドクダミとカメムシを混ぜ合わせたような強烈な臭い。香菜(コリアンダーの葉っぱ)は、タイ語の“パクチー”の名で今ではすっかりお馴染みになりましたが、20世紀にアジアを旅した日本人にとって、避けては通れぬカルチュアショックの〈におい〉でした。ナンプラーとニンニクとパクチーがねっとりとまつわりついてくるタイの〈におい〉、カレーとダールとハリ・ダーニヤー(香菜)が灼熱に炙られるインドの〈におい〉、カバーブと...

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