バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

Entries

漬け物【伊藤武のかきおろしコラム】


あちゃら漬け。唐辛子入りの甘酢に野菜をつけこんだ和風ピクルズですが、気になるのはその名前。「あちゃら」は「あちら」(異国)であるとも、その異国(ポルトガル)で「漬け物」をさす語であるとも、いや、インドの漬け物「アチャール」に由来するとも云われています。もっとも信憑性が高いのは「アチャール」説ではないか、とわたしは勘ぐっているのですが……(その根拠は、書くと長くなるので、省略)。さて——
アーユルヴェーッディクなひとのなかには、アチャール(漬け物)のような保存食・発酵食はよくない、と教えられたかたも多いことと思いますが、あまり真(ま)に受けることもありません。インドのアーユルヴェーダのお医者さんを観察すると、みなさん、大いにアチャールを召し上がっていらっしゃる。どうやら、
「わが家で漬けたアチャール以外は、よろしくない」
が、本音のようです。
そう、漬け物は、インドにあっても、日本にあっても、その家の格を決める「母ちゃんの味」。インドでは、主食の米飯かチャパティ、ダール・スープ、そしてアチャールがあれば、最低限の食事は完成する。日本も同じ。飯、汁、漬け物の3つがあれば、とりあえず食事といえる。お客が来れば、漬け物がお茶や酒の受けとなる。
発酵食に独特の、むうっと迫ってくる酸味とうま味をまとった漬け物には、ナルコティク(麻薬的)に後を引く嗜好品、という側面もあります。せまい日本にあって、いぶりがっこ、野沢菜漬け、千枚漬け、高菜漬け、奈良漬け、かぶらずし……などなど、うまい漬け物、数知れず。
あちゃら(異国)に目を移せば、韓国のキムチや、ネパールのムラコアツァール(大根漬け)、ヒマラヤ〜中国西南部〜ラオスで広く食べられているタケノコのかなり臭いの強い漬け物(台湾のメンマもその一種)も捨てがたい。

漬け物、たまに無性に食いたくなります。スーパーに行くと、いろいろ揃ってはいるが、なにやら得体の知れぬものが、ごっちゃり添加されている。自分で本格的につくるのも億劫だし、前述の「漬け物は家庭の味」という理由から、一人暮らしの身には侵してはならぬ領域という気持ちもある。
というわけで、かんたんにできる浅漬けに手をつけています。以下の漬け物名の頭には「即席」、「手抜き」、あるいはおしりに「もどき」の文字が入ります。

カブ漬け:カブは、薄くスライスして、ボウルに入れ、塩をまぶし、細かく切ったコンブやユズや唐辛子も混ぜて、鍋のフタなどをかぶせ、重しをする。30分もすれば、けっこう食える味になります。

キムチ:白菜と細ネギを適当な大きさに切る。これに、おろしニンニク、ゴマ油、砂糖かハチミツ少々、魚醤(タイのカピ、アンチョビ、塩辛のたぐいを潰すか細かくしたもの)少々、酢少々、韓国の唐辛子粉(なければコチジャンと豆板醤を適当に混ぜる)、塩適量を加えて、手でさらっと揉む。これも30分ぐらいでOK。

アチャール:タマネギ(ざく切り)、ショウガ(スライス)、ピーマン(たて切り)、セロリ(そぎ切り)、カリフラワー(房に分けて、軽くゆでるか蒸す)など適当にそろえて、フリーザーバッグに入れ、塩、カレー粉、ガランマサラ、レモン汁、唐辛子、油少々を混ぜて、ジッパーをし、冷蔵庫で一晩寝かせる。

ぬか漬け:固くなったパンがあれば、手でちぎって粉々にし、タッパーに入れる。ビール、塩も入れてよく混ぜる。これが「ぬか漬けもどき」の床(とこ)になります。ビールはパン床が手頃な固さになる量。塩は、ビールが350mlであれば、30gが目安。キュウリ、カブ、ニンジン、セロリ、ヤマイモなどの野菜を適当な大きさにカットして埋める。キュウリは丸のままでもいいが、固いニンジンはスライスしたほうがよいでしょう。タッパーのフタをして冷蔵庫へ。2、3日で食べられます。味はまさしくぬか漬け!
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

インド作家_伊藤武(クルシー)

Author:インド作家_伊藤武(クルシー)

twitter

最新記事

最新トラックバック

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR