バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

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*アーユス āyus आयुस्【伊藤武のちょこっとサンスクリット語】*


アーユス!
“アーユルヴェーダ”のアーユルで(āyus の次に有声音——母音・半母音・濁音がつづく場合は、-s が
-rに変わる)、「生命、寿命」の意です。稟(りん)としていて、清々しく、真っすぐで、しかし柔らかな光を観じさせる、なんと美しいひびきでしょう。分析すると、a(強調)+√
i(行く)+us(中性語尾)つまり、i (行く、動く)がこの語のコア(i の後に u がつづくと、 i はその半母音である y
に変わり、yuになる。日本語の「いう」が「ゆう」になるのと同じ)。生命の本質はダイナミズムである、という素朴な直感にささえられた言葉です。
「若い」を意味するユヴァン(yuvan)とも関連する語です。
yuvan は、√ i + u(器)+van(「持つもの」を表わす語尾)と解釈されます。この
yuvan は英語のヤング(young)ともつながってきます。
となれば、アーユスは、単に生命(jīva)というより、「生命の力」(jīva-śakti)と理解されるべきです。ただ生きているだけではなく、生命力の充足した状態!
アーユスという語はやがて、その持続する時間的な面に意味の重点が移っていき、「寿命」のニュアンスを帯びるようになります。そして、次には(あるいは、もっと以前、アーユスという言葉の登場とともに)老いてもなお若さを保ちたいと願うようになります。

アーユス、生命(ダイナミズム)の力を保持するには、どうしたらよいか!?
そこで、すでに述べたプラーナ(prāṇa)という語または観念がかかわってきます。プラーナという語自体に「生命」のニュアンスが含まれているのですが、原義は「生命体に生命を吹きこむもの」。そして、その作用は「動かせること」。のちのアーユルヴェーダでは、プラーナは三ドーシャのひとつのヴァータの同義語、ないしはその一作用と見なされるようになりますが、この時点では「生命力そのもの」。アーユスを蓄えるためのプラーナの制御法(prāṇa-āyāma)が発達します。ヨーガ文献をひもとくと、プラーナーヤーマの効能の第一に「若さを保つ、若返り」が上げられています。
また、これもすでに述べたスーリヤ(sūrya、「一切を生み出す熱エネルギー」で「太陽」)ともかかわってきます。太陽はプラーナの象徴でした。これは、現代科学の目から見ても正しい生命感情といえるでしょう。
地球上の生命は、すべて地球を構成する物質からできている。生命体は、食物連鎖からできている。食物は地球の物質以外のなにものでもない。しかし、太陽からの熱がなければ、地球の生命は成立しない。
たとえば、ヒトのからだは、60兆個もの細胞からなっている。細胞は液晶のような構造をもっていて、そのひとつひとつが生きるためのエネルギーを蓄えている。そのエネルギーは太陽エネルギーが食物にすがたを変えて摂りこまれたもの。究極的には太陽エネルギーといえるのですから。
そして、だからこそインドでは、まだ鋼(はがね)色をした空を薔薇色の光の指でつかむ早朝の若々しい太陽に礼拝(スーリヤ・ナマスカーラ)することは宗教的功徳を積むことであり、その新鮮な光(プラーナ)に浴しながらプラーナーヤーマすることは、アーユスを蓄え、長生きする最高の秘訣とされたのです。
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アミターユス(無限寿)とか
言いますものね。
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  • 2014.02/17 04:26分 
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