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作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

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プラーナ Prāṇa प्राण 【伊藤武のちょこっとサンスクリット語】


プラーナ Prāṇa प्राण 【伊藤武のちょこっとサンスクリット語】


「マンガは妻で、アニメは愛人(カネがかかる)。できれば、愛人のほうをやりたい。自分の絵に、生命が吹き込まれ、生き生きと動き出すのを見るのが、なによりの喜びである」
と、おっしゃっていたのは故・手塚治虫大先生。
今年は、『鉄腕アトム』のテレビアニメ放送開始50周年。わたしはライブで見ていました。白黒でしたが、しばらくして(1965年)、カラーアニメ『ジャングル大帝』が始まります。動物が躍動する。大自然が歌う(音楽は富田勳)。なんて、きれいなんだ、と思いました。

さて、アニメ。英語の「生命を与える」という意味の動詞animate、およびその名詞形animation(生命を与えられたもの>動画)に由 来することはいうまでもありませんが、さらにラテン語anima(霊魂)にさかのぼります。このアニマは、ユング心理学の用語としても使われています。
そして、ヨーガでおなじみの“プラーナ”も、「印欧祖語」まで遡源すれば、じつは同語源なのです。
“プラーナ”の本体、つまり語根は√an(呼吸する)。その名詞形はāna(呼吸、生命)。これに接頭辞pra(前に、前方へ、大いに)を添えて prāṇa。(ānaのnが反舌音のṇに変わるのは、同じ巻き舌のpraのrにつられた現象で、それ自体に深い意味はありません。)つまり、
――大いなるものから吹き込まれた呼吸(生命)
が、プラーナのコアとなるイメージです。
prāṇaじたいに「生命」の意が含まれていますが、語尾を所有を示す-inに換え、prāṇin(呼吸を有するもの)とすると「生命体、生きもの」、prāṇin prāṇaで「生きとし生けるもの」になります。
そして、「霊魂」を意味するアートマン(ātman)も、呼吸であり生命であるānaから派生した言葉であると考えられています。animationとanimaの関係と同じですね。
アーユルヴェーダやハタ・ヨーガでは、「生命の素であるプラーナはひとつだが、人体に取り込まれて5つ(ないしはそれ以上)になる」とされました。
これらのプラーナのバリエーションも、「接頭辞+āna」で表現されます。
まず、肺に入り、心臓を介して全身に送られるプラーナそのもの。
それが腸に入って“サマーナ”。sama(同じ)+ānaで、「身体にとって異物である食物を消化(同化)させる力/作用」です。
同化させた食物(栄養)を全身に巡らせる力は、vi(ばらばらに、分離して)+ānaで、“ヴィヤーナ”(vi-ānaは連声してvyānaとなる)。
体内にあるものを外に出す(排泄する)力は、apa(離れて、遠く)+ānaで、“アパーナ”。
霊魂(アートマン)を身体と分離させる力は、ud(上に、上方へ、外へ)+ānaで、“ウダーナ”。

最古層のヴェーダ文献では、プラーナやアートマンは、「光/エネルギー」をあらわすヴィラージ(virāj)とも渾然一体になっています。つま り、古代インド人にとって「呼吸、生命、霊魂、光」は切り離すことのできない、まとまった観念だったようです。ですから、ヨーガにおいて、「プラーナをイ メージする」ときは「光を観じる」ことが、秘義というかコツになってきます。
さて、そこで、わたしの発案した「鉄腕アトム・アーサナ」(連声してアトマーサナ)。
ヴィーラバドラ・アーサナ(いわゆる「英雄のポーズ」)のときのように一本脚で立ち、手で空を泳ぐような恰好をして、
♪ゆくぞ~、アトム
とマントラを唱える。
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