バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

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【しわすの満月通信】

本場ヨーギンのヨガマット 【伊藤武のかきおろしコラム】

本場ヨーギンは、ヨガマットにこだわります。虎皮(豹皮含む)か鹿皮でなければならぬ、と。
わたしはフェイクのヨーギンですから、フェイクの豹皮を愛用しています。ラダックで買った、シルクの絨緞みたいな繊細な織物で……高かった(涙)
本場ヨーギンは、虎や鹿の皮は大地の邪悪なエネルギーを遮断する、とおっしゃいます。
しかし、「大地の邪悪なエネルギー」って、何なのでしょう? ヒンドゥーは「大地の神聖なエネルギー」を享受するために土間の家にこだわるというのに。
これはおそらく、大地の「つなぎ止めておく力」でしょう。物理学的には文字どおり「重力」ですが、ヨーガ的には「魂を大地(この世)に留めおく力」。ヨーギンは、虎や鹿の皮というかつては息をしていたモノに坐り、無常と彼岸に念(おも)いを馳せるのでしょうか?
なぜ、かようなことを書くかといえば——

延ばしに延ばしてきた『ラーマが行く』(仮題)の執筆に取りかかっています。
これはYAJ版ラーマーヤナカード(http://www.yaj.jp/lecture.html)と、それにまつわるエトセトラ——『ラーマーヤナ』世界のヨーガ、占星術、武術、ダンスなど——を一冊にまとめるものですが、前半は数十ページ(最大100ページ)にわたる『ラーマーヤナ絵巻』を予定しています。
右から左に読んでいく絵物語である日本古来の「絵巻スタイル」を踏襲してみます。絵はいつものとおりですが、衣裳や建築などは「ラーマの時代」を反映するものにしたいと思い、いろいろ調べてみますと——
『ラーマーヤナ』には、サードゥの先祖であるヴェーダ系の苦行者や仙人(リシ)が大勢出てまいりますが、あの時代(いつだろう? 漠然と紀元前のインド)のバラモンを含めたこうしたスピリチュアルな方々は、着るものといえば、
——皮、毛皮、あるいはウール
に強いこだわりを持っていたようです。天空を着る(何も着ない)ことにこだわった行者もいたようですが。
インドは5000年前からつい最近まで(イギリスに支配されるまで)世界最高のコットン生産国で、この時代も「美しい染めをほどこした綿織物」「シルクのごとく滑らかな綿布」が広く供給されていました。しかし、スピリチュアルな方々は、
「綿の衣なぞ、女・子ども・俗人の着るもの」
と決めてかかっていたのです。彼らは当時、動物供犠(イケニエ)のスペシャリストでもありました。衣類はその副産物だったのでしょうが、イケニエは彼らの宗教の核心でしたから、転じてそうした動物性衣料でつくられたものが宗教家の正装となったにちがいありません。
だから、ヴェーダのアンチ勢力だった仏教教団は、あえて綿の袈裟(屍体から剥いできた綿布を継ぎ接ぎしたもの)を着用したのか、などと思うと興味が尽きません。
その後、行者の衣は(全裸のサードゥは除いて)、綿が主流になりますが、本場ヨーギンのヨガマットは当時の記憶を引きずっているのかもしれません。
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