バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

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【ながつきの満月通信】

マンダラ 【伊藤武かきおろしコラム】

今回の「ちょこっとサンスクリット語」は“マンダラ”を取り上げましたが、こちらでもマンダラ。あちらがマンダラというハード(箱)の説明であれば、こちらはソフト(中身)に関するお話です。併せてお読みください。
仏教学者たちは「インド仏教でなぜマンダラが採用されるようになったか、よくわかっていない」とおっしゃっていますが、愚考を差しはさむと——

私事ですが、長年インドや東南アジアをほっつき歩いていると、現地で買い集めたものも増えてまいります。
まずは、神仏の像。紙粘土でつくったチープな土産物もあれば、かなり高価なアンティークもあります。カジュラーホヤコナーラクで手に入れたミトゥ ナ(男女の神が合体する像)や、ネパールで買った歓喜仏(男女のホトケが合体する像)など一見エッチなものも、わたしにとっては貴重な資料です。
また、金剛杵や鈴やホラ貝などの法具のたぐいや、クリス(バリ島の蛇行剣)やククリ(ネパールのナタ)といった武器類もあれば、おもちゃの楽器や、神様やマントラをプリントした布もあります。
くわえて、友人たちからいただいたお土産もあります。
となれば、雑多なこれらをどう整理するかが問題になってきます。1つ2つであれば、机の上や本棚にでも置いておけばいいのですが、数があると、そうはいかない。
理想をいえば、博物館のような陳列棚におさめればいいのですが、住宅事情がそれを許さない。さて、どうしたものか……?

インド仏教でも、同じような問題にぶち当ったにちがいありません。
上座部仏教ではホトケはブッダおひとりですが、大乗の時代に入ると、阿弥陀、薬師、観音、不動、弥勒……と、ホトケはおびただしい数に増殖していきます。
これら雑多なホトケの像を、はじめは無秩序に並べて礼拝したのでしょう。しかし、どうも見苦しい。そこで、ホトケたちの序列(カースト)を定める。
いちばん偉いのが、真理の具現者である「如来」カースト(阿弥陀、薬師、大日など)。
次が、人びとの救済者である「菩薩」カースト(観音、弥勒、文殊など)。
その次が、武力を行使する「明王」カースト(不動、愛染、降三世など)。
いちばん下が、ヒンドゥー教や土着宗教からのトラバーユ組である「天」カースト(インドラ、ブラフマー、ナーガなど)。
これらをカーストの順にしたがって置けばよいのですが、一列にずらりと並べるのも場所をとるし、芸がない。そこで、マンダラ・プランに配置する。つまり、中心となるホトケ(本尊)を定め、その周囲に二次的なホトケ、三次的なホトケを幾何学的に配してゆく。

それに倣って、わたしも、前記のものを整理することにしました。というよりも、整理しているうちに、上述の「マンダラ発生説」を思いついたのですが。
小さな昔の文机(ふみづくえ)の上に、わたしなりのマンダラ、すなわち宇宙を創ってゆく。
「中心は、男よりも女の神仏のほうがいいなあ。両隣に、形と大きさがよく似たこの神とあのホトケ……」
といったぐあい。
武器や楽器も特定の神仏のシンボルですから、適切な場所に配することができます。
男女合体系の神仏。これらは、布をかければ「秘仏」となります。
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