バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

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みなづきの満月通信


【伊藤武かきおろしコラム】


愛しのハーブ

今年も「おれのタネ」(ホーリーバジルの種)から、たくさんの芽が出てきました。
まだ数ミリですが、これからぐんぐんと伸びていきます。かわいい。幼い緑をじっと見つめていると、抱きしめたくなる。それは無理なので、ひょいと摘んで(間引きして)食べてしまいます。
ペットに向ける感情と同じだ、と気づきました。ひとり暮らしで家に閉じこもって仕事しているので、身近な生命に愛おしさを感じるのです。動物のペットだと世話がめんどうだが、ハーブであれば水をやり、ついでに「愛しているよ」とつぶやく(これが大切)だけでいい。植物は、人間の感情に応えてくれます。
毎年5月になると、他のハーブの苗も買ってきて、仲間を増やしてやります。最近はスーパーでもハーブの品揃えが豊富になったが、けっこう高い。ベランダに植えておくと、いつでも新鮮なものが使えるので都合がいい。
スイートバジル、シソ、オレガノ、ミント、レモングラス、パセリは常備しています。
香菜は、たまにチャレンジするのですが、愛が足りないのか、あるいは大好物なので食い気が先走っているのがバレてしまうのか、すぐに枯れてしまいます。
そうそう、忘れてはならないのは、トウガラシ。こいつは観賞用の植物としても楽しい。濃緑色の金属的な輝きをおびた葉。日本刀のようにすらりとし、熟するにつれて、緑、黄、赤と変化していく実には、清貧を貴ぶ武士の風格がある。しかし、なめてかかると、したたかに辛い目に合わされます。
夏の緑のトウガラシは、インドや東南アジアの料理に使います。細かく刻んだのをソーメンなど入れもいい。
葉は醤油で煮て、佃煮にします。びっくりするほど美味い。
秋の赤いトウガラシは、生のがたくさんあれば、糟辣醤(ツァウラージャン)にします。かんたんにいえばトウガラシの塩辛で、熟成した辛味が和・洋・中華・インド・アラブ……とどんな料理にも合って重宝する調味料です。
たとえば、カレーをつくるとき、トウガラシは始めに油炒めしないと辛味が浮いてくるので、煮込んでいる段階で辛さを調整するのは難しいのですが、これがあれば簡単。糟辣醤の辛味はすぐに材料と融和してくれます。潰した完熟トマトを混ぜ合わせるだけで、スパゲッティによく合うソースにもなります。鍋料理や湯豆腐のタレにはもちろん、味噌汁やラーメンに一味やコショウのかわりに入れてみても悪くありません。辛味がこなれて爽やかな芳香を発するのです。
つくりかたは――

1. 赤トウガラシをできるだけ細かいみじん切りにする。
2. これにその10パーセント程度のニンニク、全体量の15パーセントの塩を合わせて貯蔵する。氷砂糖かハチミツ、焼酎を少量混ぜてもよい。
3. 2週間ほどでも利用できるが、半年ほど寝かすと万全の糟辣醤となる。

1.には相当苦労します。つくりかたをおぼえた最初の年は、八百屋で生トウガラシをあるだけ買い占め1時間ほどかけてみじん切り。と、全身汗ダラダラ、目鼻気管がヒリヒリ刺激され、手はトウガラシの汁を吸い込んでグローブみたいに腫れ上がり、2、3日は箸も持てないという悲惨な状況にあいなったのでした。(つくってみたいかたは、ビニールの手袋をつけるか、フードプロセッサーを使って、みじん切りにしてください。)

 
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