バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

Entries

バリ風エスカルゴ【コラム】


♪でんでん虫々 かたつむり——の季節。
バリ島・ウブドの雨季(2月)もそうでした。宿のヤシや、パパイヤや、コーヒーや、蘭や、その他の熱帯樹の生い茂る広い庭は、でんでん虫だらけになる。庭仕事をしている男がそいつを指でつまんで、ビニール袋に入れている。取っても、取っても、現われる。それこそ、湧いて出る、のです。
「でんでん虫、どうするんだ?」と訊くと、
「アラック(焼酎)の肴(つまみ)にするべえ。うめえだよ」
でんでん虫は、日本の同族よりずっと立派です。大きく、殻がうんと盛り上がっていて、色も濃い。たしかに美味しいのでしょう。
でんでん虫料理と聞くと、反射的にエスカルゴが思い浮かぶのですが——
「どう料理するんだ?」
「サテ(串焼き)だ」
日本・東京の雨季(梅雨)。貝類の多くは、このころから夏にかけて旬を迎えます。
スーパーの魚売り場(わたしの住んでいる町では、魚屋は絶滅した)をのぞくと、バイ貝がありました。こいつの大きさは、ちょうどバリのでんでん虫ぐらいです。正直なところ、でんでん虫には食指は動かされませんが、バイ貝は好物です。
そして、バリのでんでん虫を見たときから、バイ貝のエスカルゴ風をやってみたいと思っていたのです。
まずゆでて、身を抜く。殻を左手で持ち、ぐるぐる回しながら、ようじを刺した身を引き出します。
ところで、サザエなどの海の巻貝も、陸の巻貝(つまり、でんでん虫)も、また太古のアンモナイトも、殻の渦は、北半球では右回りになります。南半球では左回り。
とうぜん、インドのシャンカ(法螺貝)も右巻きです。もっとも、インドでは、外から内へと巻きを見る。ですから、右巻きのシャンカは「左旋」ということになります。ところが、なかには、へそ曲がりのホラガイもいるのしょうか? インドでは、「右旋」の、つまり左巻きのシャンカが神聖視されています。
そういえば、バリのでんでん虫はどっちだったでしょうか? バリは南半球ですが、ほとんど赤道直下なので、へそ曲がりもかなりいるかもしれません。
まあ、日本のバイ貝にはへそ曲がりはいないようなので、殻を持った左手は、親指を向こうに押しやるような感じで回転させることになります。
殻の内側と身をさっと水洗いして、汚れをとります。
それから、殻の内側にエスカルゴバターを入れ、身を殻に戻し、殻の口にもエスカルゴバターをたっぷりと塗ります。ツブ貝などには内蔵に毒をもつものがありますから、取り除かなければなりませんが、バイ貝は全部食べられます。
エスカルゴバターは、バターに、ニンニクすりおろし、バセリみじん切り、塩、コショウを混ぜたもの。バセリのかわりに、バジルや香菜(パクチー)を加えてもよい。
しかし、アーユルヴェーダ的には、魚介とバターの組み合わせはタブー——というのであれば、バリのでんでん虫サテ用のサンバル(ソース)でもよいでしょう。レシピはちゃんと聞いておきました。
トウガラシ、ニンニク、タマネギ、ショウガ、ターメリック(バリでは生)、トマト、キャンドルナッツ(クルミで代用)、エビペースト、タマリンド(梅干しで代用)などをペーストにして、油で炒めて生っぽさを飛ばし、冷ましてから使う。
殻に戻したバイ貝を耐熱皿に並べ、オーブンで10分ほど焼く。
あるいは、サンバルでマリネしたものを殻に戻さずに、サテにしてもいい。つまり、串に刺して、グリルなどで焼く。
どちらも美味しい。この種の巻貝は味がワイルドなので、アラックまたは焼酎が合います。
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

プロフィール

インド作家_伊藤武(クルシー)

Author:インド作家_伊藤武(クルシー)
 
メルマガ『満月通信』のコラムを載せていきます。
 
講座案内等はこちらでお知らせしています。
http://malini.blog105.fc2.com/

お問い合わせはこちらまで。
yaj612@gmail.com

twitter

最新記事

最新トラックバック

右サイドメニュー

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR