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作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

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伊藤武コラム【ウコンは効かない?】


『ウコンは効かない』なんて論説がネットに出まわってます。
グルテンはだめ、ミルク・乳製品は悪い、ジャガイモはよくない……やれやれ、またか、という感じ。
件(くだん)の『ウコンは効かない』の主旨は、「ウコンの主成分であるクルクミンにこれといった薬効は認められなかった。かといって、ウコンに効果がないとも云えない」。
だったら、最初から言わなければいいのに、と思ってしまいます。ことに健康にかんする「科学的」見解には軽薄なものが多い。悪意のあるものも少なからずある。
最近、「もっとも優秀な油」として注目されるようになったココナッツオイルは、ちょっと前まで、医学的にはよくない、と云われていました。だから、かつてのスリランカやバリの料理からはココナッツオイルの甘い香りが芬々(ふんぷん)と立ちのぼってきたのに、いまではまったく匂いがしません。
人びとが長いあいだ利用してきたものが否定されるときは、必ずカネが絡んでいます。
小麦もミルクもジャガイモも、人類の何千年来の恩人。それらにほんとうに害があったとしても、悪いのは、金儲けのために遺伝子を組み換えたり、
牛に地獄の責め苦のようなストレスを与えて、そうした危険な食物にしてしまった、恩知らずで残酷な人間のほうでしょう。
繊維に、食糧に、医薬に、お楽しみに……と世界中で太古から人びとの暮らしを支えてきた大麻が「だめゼッタイ!」になったのも、大麻の繊維からは良質の紙が安価に作られるため、アマゾンの森林に権利をもつアメリカの金持ちが儲からないから——が、いちばんの理由です。
医療大麻の可能性が叫ばれていますが、安い大麻でガンが治ったら、困る人も出てくるでしょう。ガン治療は、カネのなる木。ビッグビジネスのひとつですから。
ココナッツオイルを悪者に仕立てたのも、スリランカやバリからそれがきれいさっぱり失われたことを考えると、産地国に遺伝子操作した油料作物のタネを売りつける企業の戦略だったのかもしれません。
今回のウコン云々(うんぬん)も、うさん臭い。
何を信じたらよいか……そんなとき、気の遠くなるような時間をかけて、生命を養い、はぐくんできた伝統医学が頼りになります。

インドでは、ウコンが、ほとんどすべての料理に使われています。もちろんアーユルヴェーダの治療にも用いられ、その用途は、肝臓病、健胃、駆虫、腫れ、糖尿病、アレルギー、息切れ、疼痛、老衰……と、数え上げればきりがありません。
まずウコンには、細菌やカビの生育を抑える抗生物質様の成分が含まれています。この植物は、しばしば不浄な、菌類がうようよいる土壌で成長します。生き残るためには、抗菌力を持たざるを得なかったのです。
人体に入ってからは、ウコンは強力な浄化剤の役目を果たします。グルタチオンはおそらく肝臓においてもっとも重要な分子と思われ
ますが、「肝臓の生薬」ウコンはグルタチオンを増加させ、結果として肝臓の解毒能力を強化し、血液をクリーニングするのです。
インドでは大量の油で料理するのにそれほど油っぽく感じないのも、ウコンのおかげ。ウコンが、脂肪を分解する胆汁の分泌を促進します。これは、やせ効果がある、ということでもあります。日本で夏バテのときカレーを食べると元気が出る、というのも、カレー粉のなかのウコンが、体全体の調子を有機的に高めるからです。
もちろん、抗ガン作用もまちがいなくあります。たとえクルクミンに効果がないとしても、ウコンにはガン細胞の発育を抑制するアルカロイドや、ケルセチン、ケンフェロール、ゲニステイン、レスベラトロールなどのフラボノイドが豊富に含まれています。
インドは、他の国に比べて、ガン発生者が極端に少ない——というのが、ウコンのすぐれた薬効の証明になるでしょう。
そして、ウコンは、もっとも安いスパイスでもあるのです。
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