バン・ボーラ!──伊藤武のなまけブログ

作家・伊藤武かきおろしーーーーー満月通信のコラム

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【女神講座】伊藤武コラム


〈神〉は存在するのか、しないのか——わたしは、じつは、このテーマにはあまり興味がありません。ある意味、無神論者なのかもしれません。むしろ、〈神〉を生み出す、あるいは認識する人間の心のほうがずっとおもしろい。
ヒト以外の動物に神がいる、とは思えません。少なくとも、猿や蛇やナメクジやハエが神を拝んでいるようには見えない。しかしヒトは、どんな未開な部族であっても、かならず神をもっています。人の心は神を発想する。脳のなかに神をつくり出す回路がそなわっている、というべきでしょうか。
じっさい、脳の側頭葉に、神秘体験を誘発するシルヴィウス溝というものがあります。こめかみのちょっと上、マルマでいうとウトクシェーパ。そこを電気刺激すると、あるいは瞑想などでその回路にスイッチが入ると、だれもが、幽体離脱する、クンダリニー体験をする、天使を見る、神の声を聞く……といった神秘を経験する。
そして、タントラによると、〈神〉は、認識されたとき、「実在と化す」のです。

人間が〈神〉なるものを発想したとき、まず〈母〉のすがたを取ったと考えられます。すなわち、「女神」。おのれを産み、守り、はぐくみ、愛してくれたひとのイメージが投影されたのです。母と神の組み合わせは、彼女をヒトに穀物・水・空気・火・住処を与え
てくれるマザー・ゴッデス(大地母神)に昇格させました。
しかし、インドの女神たちは、単にやさしいだけではない。
ヴィシュヌ神の貞節な妻のように見えて、じつはイケイケのプレーガールのラクシュミー。
創造神ブラフマーの作品で、妻でありながら、潔癖性ゆえに離縁され、孤高の道をあゆむサラスワティー。
もとは宇宙を流れる天の川で、シヴァ神を洪水に巻き込んでレイプするつもりで、地球に下りてきたが、逆にシヴァの髪に捕えられてしまうガンガー。
人間の女として生まれながら、シヴァ神の恋女房になり、夫をうまく操縦しながら尻に敷き、ヨーギニーたちに君臨し、やがてヒンドゥー密教の最高神に昇りつめるパールワティー。
そのパールワティーの怒りの化身で、シヴァよりも強く、殺戮を好み、しかしどの女神よりも濃厚な母性本能を同居させたカーリー。
女性から女性性を抽出して擬人化したような女神たちは、自由奔放に恋し、怒り、破壊し、そして愛する。
男性優位のインド社会に生きる女たちの夢想が心のなかから飛び出したのが、女神なのでしょう。
そして、なんだかんだ云って、わたしは彼女たちが大好きです。

「サハジャ女神講座」が進行中です。
毎月ひとりの女神を選び、彼女にちなんだヨーガをし(マーリニー担当)、料理をいただき(サンラサー有澤担当)、アーユルヴェーダを実践し(わたなべみほ担当)、神話に遊び(伊藤武担当)ます。
次回12月は、富と美の女神ラクシュミー。
来場をお待ちしています。
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